- 川柳大喜利 第13回 総評
- 2018年10月3日夏の熱気も去り一気に涼しくなってまいりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。担当Hです。秋が深まってくると美味しいのが 揚げ出し豆腐にもつ鍋やシチューなどなど。でも、しっかり食べたらその分歩いて健康的に過ごさないと大変なことになります。お気を付けください。それでは第13回 川柳大喜利コンテストの総評をお送りいたします。今回のお題は『震える』。 ルールは3句縛りでした。全体を見ますと『甲子園』や『被災』など世間で大変な話題になった事柄から着想を得た句がいつもより多くよせられました。ただ、私どもの選考はそれらの話題が出てから多少日が経ってから行いますもので、時事ネタが有利に働くことはほぼありません。これがTwitterなどのSNSを使ったコンテストですと、違うのかもしれませんね。そういった形式だと投稿時点での反響がカウントされますから話題性を選考に加味する余地ができます。※なお、実際に他の運営ではどのようにご選考されているかは存じあげません。今のところ当コンテストの形態ではリアルタイムの話題性を評価する術がありません。そのため汎用性のある作品と言いますか、インパクト重視の方が 評価されやすくなります。少なくとも私の選考基準はそうだと言えます。皆様のご参考になりましたら幸いです。今回もご投稿くださいまして、皆様本当にありがとうございました。さて、話題をガラッと変えまして今回は投稿されている方々の柳名について名づけ方に注目してみました。もしこれから投稿するにあたって、柳名をどうしようかな、と考えている方がいらっしゃいましたら参考にしていただければ幸いです。まず、もっとも多い系統は、何らかの言葉・単語を柳名にされている方々。動物や植物、食べ物や色、場所などモチーフは多岐にわたります。単語ひとつではなく複数の言葉を組み合わせ、イメージと個性を深めている方もいらっしゃいます。ご自身を表わすにあたり、作品と同じく『コレ!』というインスピレーションに任せた決め方。名付けもまた創作の一部という位置づけですね。強い意気込みと制作意欲を感じます。次に多い勢力は、〇〇ちゃん、というお名前です。●●りん、◆◆たん、▲▼さん、××くん、のように分派もたくさんあります。おそらくですけれど、ご自身が呼び呼ばれ慣れているあだ名だったり、あるいは親しいご家族のお名前を元にされているのではないかと推測します。日常的にご使用されている名前であれば、掲載時にご自分の柳名を判別がつきやすく、またご家族やご友人などにも、掲載したことをアピールしやすくなります。川柳もまた日常の延長線上にある自然体ということでしょうか。これら二つの中間にあたるのが以下の系統です。〇〇父、●●ママ、◆◆爺、▲▼男、××太郎などなど。各割合は同じくらいです。一つ前の系統に近いように見えますが、それより一歩引いた感があります。ご自身の呼び名なのかな、と思われる方もいれば、最初のように言葉と組み合わせ個性を重視している方もいらっしゃいます。前二つの系統の良いとこどりと言えるのかも。一方、少数派に目を向けますと、実在・架空の有名人や作品などからお名前をいただいている方もいらっしゃいました。名付け元への強い親愛やリスペクトを感じずにはいられません。また、ご自分の名前をそのままという方も。潔さと力強さに感服です。大雑把な分け方ですが以上になります。勝手な印象で気分を害されましたらすみません。もうすでに柳名を決めているという方も、気分転換に 別の方向性を探ってみるのも面白いかもしれません。これは川柳ではありませんが、名前によって作風を変えている作家さんもいらっしゃると聞きます。あやかることで新しい視点や閃きが生まれる?かもしれませんよ。それでは今回注目の単語、表現のコーナーです。「飛んできた!」目にもとまらぬ速度で何かが迫ることで、驚き・恐怖・緊張感など多くの情感を連想できます。感嘆詞は川柳の文字制限に含まれないのもいい技です。「ビブラート」揺れ動く音に情感も揺れます。悲鳴などを遠回しに表現すると、ちょっとコミカルさが増します。「調子こき」最近ではイキるなんて言い方もしますね。そういう方が痛い目を見る物語は、作りやすく人気があります。「海苔のパーツ」元の句は普通にお弁当の話でしたけれど、海苔という言葉が塗りつぶしや伏字を指すこともありますので、怪しげな雰囲気をかもしだすのに使えそうです。「エラー音」日常でドキッとする瞬間。何に問題があったのかと焦ってしまいます。その雰囲気を表す使いやすい言葉だと思います。「推しのファンサに」推しているアイドルのファンサービスに、と書くところを一気に短くまとめることで、ステージのさなかの一瞬に抱いた感情が表現されていて面白いと思いました。わかりにくい気もしますけど。「顔歪む」誰しも、思わず感情が顔に出てしまう時はあるものです。その強烈な感覚を思い起こさせる素晴らしい表現だと思います。「水飛沫」夏の水辺の心躍る瞬間を切り取った素晴らしい言葉。次に使うチャンスが来年になるのが惜しいところ。「仔馬立つ」出産直後の生命力あふれる姿。様々な物事の隠喩としても面白いと思います。「肩揺れる」ほんのわずかな仕草がいろいろな様子に使えます。元の句では、音楽に聞き入っている様子を表わしていました。他にも大笑いしたり掴みかかられたりなど、応用できるのではないでしょうか。以上です。すでに川柳大喜利コンテスト第14回は開催中です。今回も前半・後半それぞれ3句しばりルールを採用させていただいております。みなさまどうか奮ってご応募ください。