チャンネルを「回して」と言い 孫「?」
夜空の星 様[58]
デッキから 出てこず焦る エロビデオ
りっくん 様[42]
審査員のひとこと
ビデオデッキは、録画テープを再生するための機械。
今考えるとかなり複雑な仕組みで、中でカセットが引っかかるようなトラブルはまだ序の口。
詰まったテープをなんとか押し引きしているうち、逆に飲み込まれて再生を始めたなんてトラブルもあったようです。当時の青年の心はいかばかりか。
妻がナビ 二人で越えた 迷い道
とし 様[56]
審査員のひとこと
かつてのドライブは本屋などで買った地図と土地勘だけが頼りでした。
特に問題になるのが山奥の田舎道。この道で曲がるべきか先で曲がるべきか見逃しはないか、などひとつ間違えると予定にないエリアへ間違って行ってしまうなんて事もありました。そんなトラブルを乗り越えて今があると考えますと、これは若い二人への格好の試練だったのかもしれませんね。
ダイヤルを 回しかけてた 黒電話
りおパパ 様[43]
審査員のひとこと
「☎」が黒電話のマークです。近年では、絵で見ても何の機械かわからない人も増えているとか。
公衆電話デザインであれば、まだかろうじて通じるでしょうか。まだまだ緊急時には役に立ちますよ。
- 縁側で スイカをかじった 夏休みはなはな 様[30]夏、田舎に行った時の記憶を時々思い出します。今では見れない景色です。
- 玄関に 座布団敷いて 長電話きんぎんどう 様[62]携帯より重たく動かせないひも付きの電話、なので環境を整えるヘビーユーザーもいたそうです。
- ハイライト 亡き父の背広に 染み付いて川柳と魔法使い 様[62]ハイライトはタバコの名前。いつかの記憶が香りとともに思い出されます。
- 夢入れた タイムカプセル 掘り起こす日本人 様[50]遥か過去、記憶の向こうから届くメッセージ。懐かしい以上のものですね。
- 社がオレに 期待していた 頃も有る安田蝸牛 様[67]そういうはぐれものが集まってトラブルを乗り越えて一花打ち上げるというストーリー、少し古いですが大好きです。
- 青春の 下宿訪ねりゃ パーキングナフタリン 様[77]街が記憶を塗り替えてしまった後の寂寥感。色褪せない思い出になったと思えば。
- ポチ太なの? 似た子出会って 撫で回す白川 譽 様[18]人でも稀にあります。撫でまわしはしませんが目を離せなくなりますね。
- 浦島の 気持ちが分かる クラス会薫風 様[67]賑やかさと不思議な場違い感。でも、みんなそんな気持ちです。
チャンネルを変える事を「回す」と呼ぶのは、考えてみるとTVにダイヤルがついていたことを知らなければ思い当たらない表現ですね。
令和のお孫さんの困惑とその様を傍から見た面白さが、その場に居るかの用に伝わってくる素晴らしい句です。